会社情報ーご挨拶ー

ご挨拶

21世紀に入って20年目を迎える2020年。私たちの会社は今また新たな一歩を踏み出しました。「三菱商事石油開発」から「三菱商事天然ガス開発」への社名変更です。

一頃「百年企業」という言葉がよく人口に膾炙されました。日本は世界に例を見ない程に老舗企業の多い国で、その数は二万社を超えるとも言われます。もちろん、日本のビジネス環境が数多くの百年企業を育んできた側面はあるでしょう。しかし多くの会社は、その時々で世の中に必要とされるものを具体的に提供し続けたからこそ生き残ってきたように思います。例えば、創業千年を誇る宮城の老舗旅館「佐勘」のホームページには「時代に求められる「旅館」とは何か。サービスの形はどうあるべきかを今また自らに問い直しています。」とあります。もちろん、変わらぬ「信条」のようなものを礎とし、伝統の重さを踏まえた上での言葉であると思いますが、その精神は大いに見習うべきであると思います。私たちもまた、そのような会社でありたいと考えています。

私たちの会社も2021年には創立20周年、2022年には前身となる会社の創設から数えて50年となる歴史を重ねて来た会社ですが、その間には幾つもの変遷がありました。三菱グループ共同出資による企業として石油開発事業に取り組み利益を追求する会社から、三菱商事天然ガスグループが推進する液化天然ガス(LNG)事業への支援を主とする会社へ、その業態も大きく変化しました。そんな中で私たちにとっての「変わらぬもの」とは何だろうかと自らに問い直してみると、はからずも行きつくのは「三綱領」の最初に掲げられた「所期奉公」という精神であるように思います。

営利企業である以上、利益を追求するのは当然ではありますが、その為に何をやってもいい訳ではない、と三菱第四代社長の岩崎小彌太は説きました。「所期奉公」は「事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する」という意味に解釈されていますが、三菱商事天然ガスグループと共に私たちが目指しているのは、まさにその精神を具現化するような事業の推進です。

石炭、石油、天然ガスなどのいわゆる「化石燃料」は、これまで各国の経済発展を支えるエネルギー源として多くの恩恵を人類にもたらして来ました。化石燃料を燃やすことで排出される二酸化炭素によって地球規模の気候変動に影響が出ていることは否定できない事実ではある一方で、炭化水素に頼らないエネルギーが全ての人々に行き渡るには更なる技術革新と時間が必要とされることでしょう。その時が来るまで、よりクリーンな資源である天然ガスが果たす役割は小さくありません。私たちは天然ガス資源を開発し、そのエネルギー源を必要としている人々に届ける事業を通じて、「エネルギートランジション」に資することを命題として掲げ、社名の「石油」を「天然ガス」へと変えることを決めました。

世の中の常識は、目まぐるしく変化します。気候変動の定説もいつの間にか「ゆっくりと寒冷化し氷期に向かっている」という説であったものが「今後五万年は氷期に入らない」という説へと揺れています。1970年代のオイルショック時には「あと30年で石油は枯渇する」とも言われましたし、2000年代には「ピークオイル論」が再び世界を席巻しました。しかし、人類はその都度困難を乗り越えて発展して来ました。環境問題に関しても、人類はようやく地球規模での影響を考察できるようになったばかりです。複雑な問題を冷静に定量化する時間を、天然ガスが与えてくれることを信じて、新たな道を歩んで参りたいと思います。